Torブラウザが遅い理由
普段通常のブラウザを使っている方々にとってtorブラウザは非常に低速なブラウザに感じることでしょう。
通常はお手持ちのPC等からwebサービスにアクセスすることができるのですが、torネットワークでは「Entry guard(エントリーガード)」「Middle relay(中間リレー)」「Exit relay(出口リレー)」という3つのサーバーを経由します。
この3つのサーバーは様々な国に配置されているものの中からランダムに選ばれます。torブラウザが遅いのは距離的に離れた国にあるサーバーを3つ経由していることが最も大きい原因です。
Torブラウザを高速化するには
上記がtorブラウザを遅くしている原因なので、経由するtorネットワークのサーバーを自分が住んでいる地域のものに限定にすればtorブラウザの遅さは大幅に改善できます。
このサイトを見ている方はほとんど日本人だと思いますので今回は経由するサーバーを全て日本にするやり方をご紹介します。
ただし、このやり方は高速化と引き換えにtorを匿名性を上げる手法になります。
通常のtorを利用する場合ももちろんですが、この手法を取るのであれば尚更ノーログVPNを利用することを推奨致します。
おすすめは「NordVPN」と「ExpressVPN」です。
torブラウザを高速化する設定
torブラウザの設定ファイルは下記パスに存在します。
Tor Browser\Browser\TorBrowser\Data\Tor\torrc
「TorBrowser」で検索し、該当のフォルダに移動した後、「Data」→「Tor」へと移動して「torrc」を右クリックし「プログラムから開く」でメモ帳やテキストエディタで編集をします。
下記コードをtorrecファイルに追記し、保存します。
StrictNodes 1
ExcludeNodes {bd},{be},{bf},{bg},{ba},{bb},{wf},{bl},{bm},{bn},{bo},{bh},{bi},{bj},{bt},{jm},{bv},{bw},{ws},{bq},{br},{bs},{je},{by},{bz},{ru},{rw},{rs},{lt},{re},{lu},{lr},{ro},{ls},{gw},{gu},{gt},{gs},{gr},{gq},{gp},{gy},{gg},{gf},{ge},{gd},{gb},{ga},{gn},{gm},{gl},{kw},{gi},{gh},{om},{jo},{hr},{ht},{hu},{hk},{hn},{hm},{kr},{ad},{pr},{ps},{pw},{pt},{kn},{py},{ai},{pa},{pf},{pg},{pe},{pk},{ph},{pn},{pl},{pm},{zm},{eh},{ee},{eg},{za},{ec},{al},{ao},{kz},{et},{zw},{ky},{es},{er},{me},{md},{mg},{mf},{ma},{mc},{uz},{mm},{ml},{mo},{mn},{mh},{mk},{mu},{mt},{mw},{mv},{mq},{mp},{ms},{mr},{au},{ug},{my},{mx},{vu},{fr},{aw},{af},{ax},{fi},{fj},{fk},{fm},{fo},{ni},{nl},{no},{na},{nc},{ne},{nf},{ng},{nz},{np},{nr},{nu},{ck},{ci},{ch},{co},{cn},{cm},{cl},{cc},{ca},{cg},{cf},{cd},{cz},{cy},{cx},{cr},{kp},{cw},{cv},{cu},{sz},{sy},{sx},{kg},{ke},{ss},{sr},{ki},{kh},{sv},{km},{st},{sk},{sj},{si},{sh},{so},{sn},{sm},{sl},{sc},{sb},{sa},{sg},{se},{sd},{do},{dm},{dj},{dk},{de},{ye},{at},{dz},{us},{lv},{uy},{yt},{um},{tz},{lc},{la},{tv},{tw},{tt},{tr},{lk},{li},{tn},{to},{tl},{tm},{tj},{tk},{th},{tf},{tg},{td},{tc},{ly},{va},{vc},{ae},{ve},{ag},{vg},{iq},{vi},{is},{ir},{am},{it},{vn},{aq},{as},{ar},{im},{il},{io},{in},{lb},{az},{ie},{id},{ua},{qa},{mz}
EntryNodes {jp}
ExitNodes {jp}
後はtorブラウザを再度立ち上げてtor回線を確認してみましょう。
経由しているtor回線が全て日本になっていれば作業完了です。
各設定値の説明
torブラウザの高速化設定自体は完了しましたが、torrecファイルに設定した各変数の詳細についても記載しましたので、興味のある方は確認してみてください。
ExcludeNodes
この項目で指定した国は接続時に経由ません。
基本的にはカントリーコードを指定しますが、IPアドレス等を直接指定することも可能です。
記載例)
ExcludeNodes {jp},{us},{cn},{ru},127.0.0.1
StrictNodes
Excludeで指定したノードへ接続するかしないかを厳密に管理します。
0 or 1で設定するものとなっており、0の場合にはExcludeNodesで除外した国やIPを利用する可能性があります。
1の場合には指定した国やIPに絶対に接続しません。
記載例)
StrictNodes 1
EntryNodes
入口となるノードを指定することができます。
基本的にはカントリーコードを指定します。
記載例)
EntryNodes {jp},{us}
ExitNodes
出口となるノードを指定することができます。
基本的にはカントリーコードを指定します。
記載例)
ExitNodes {jp},{us}
まとめ
今回はtorブラウザを高速化する手法をご紹介しました。
この手法はtorの匿名性を犠牲にしてしまう側面もあるので、何か重大な告発をする等して国家に身柄を追われているような人が使うべきものではありません。
しかし、そのレベルで無ければ「NordVPN」と「ExpressVPN」等のノーログVPN、特にダブルを利用した上で使えば高い匿名性を保ったままtorの速度問題を解決できます。
快適な深層web、ダークwebライフを過ごしていただけると本望です。
コメント
ExcludeNodesでSlowServerの指定はしないのでしょうか?
コメントありがとうございます。
SlowServerはかつてExcludeNodesで記載するサーバー名の例として記載されていただけで、遅いサーバーを除外するという機能は備わっていないようです。