通常のVPNサービスを利用した場合の匿名性
通常VPNサービスを利用していると下記のような通信経路をたどります。
PC(ISP)→VPN→Webサービス
このサイトで紹介しているノーログVPNサービスは第三者機関によりノーログポリシーを証明されている等、ログを残すことは無いという点は保証されていると言っていいでしょう。
しかし、ISP(インターネット・サービス・プロバイダー)からはあなたが特定のVPNサーバーにアクセスしたこと、及びその日時が分かります。
さらにWebサービスの側からも特定のVPNサーバー特定の時間にアクセスが合ったことが分かります。
捜査機関が全力で捜査を行う場合にはこのようなIPS、VPN、Webサービスへのアクセスログを間接的に組み合わせることによって操作を行います。
間接的なアクセスログが1度だけ合致したという場合には個人を特定することは難しいでしょうが、こうした結果が何度も得られるようであれば個人が特定される可能性があります。
マルチホップ接続(Double VPN)を利用した場合の匿名性
Double VPNを使うと、下記のような通信経路を辿ります。
PC(ISP)→VPN1→VPN2→Webサービス
このような通信方式を行う場合、ISPから見たアクセス先は「VPN1」となり、Webサービスから見たアクセス元は「VPN2」になります。
つまり、ISPからみたアクセス先とWebサービスから見たアクセス元が異なるVPNサーバーのIPアドレスとなり、個人を特定することが非常に難しくなります。
さらには経由する2つのVPNサーバーは基本的に異なる国のサーバーを経由します。なので尚更ログを突き合わせる際のリソースは膨大なものとなります。
絶対に不可能とは言い切れませんが、通常の捜査ではマルチホップ接続を利用しているユーザーを特定できないと言っていいでしょう。
Tor Over VPNではいけないのか
Tor Over VPNを使えばマルチホップ接続を利用しなくても十分な匿名性を得られるのではないかという意見もあるでしょう。
確かに、匿名性という点を見ればTor Over VPNは申し分の無い手法と言えます。
匿名性に限定して話すのであればマルチホップ接続のみを行う場合よりも高い匿名性を得られるでしょう。
しかし、Tor Over VPNにはいくつか課題もあります。
通信速度
Torは高い匿名性と引き換えに通信速度が非常に遅いです。
VPNサービスであればVPN接続した状態であっても動画視聴にも支障が無いレベルの通信速度を保てますが、Torはランダムに決まる接続先によっては単なるブラウザ検索であってもレスポンスに時間がかかることも多いです。
これは経由するノード数が3つと多いことや様々な国のノードに接続すること、VPNサービスと違いボランティアによる運営なのでスペックが乏しいサーバーを経由することも多いことが理由です。
ブラウザ経由でしか利用できない
TorネットワークはVPNサービスと違い、基本的にはhttps通信かつ、ブラウザ経由でしか利用できません。
厳密にはブラウザを使わずにTorネットワークを経由する方法もあるのですが、その場合であってもhttps通信でしか利用できず、ブラウザを経由せずにTorネットワークを経由するのは少々面倒です。
なのでsshでのログインや自作のプログラム等で行う通信を匿名化したいという場合にはTorネットワークは利用できないという欠点があります。
マルチホップ接続機能を提供しているVPN
マルチホップ接続を提供しているVPNサービスとしてNordVPN、SurfsharkVPN、PIA(Private Internet Access)があります。
より強固な匿名性を求める方はこれらのサービスを利用しても良いかもしれません。
NordVPN
NordVPNは世界61か国以上、6000台以上のサーバーを運営するパナマに本拠地を置くVPNサービスです。
ノーログポリシーの外部監査をどのVPNサービスよりも実施しており、Double VPNを実装している等、匿名性に信頼があるVPNサービスです。
通信速度に関しても非常に評判が良く、動画視聴やオンラインゲーム、torrentのダウンロード等をストレスなく行うことができます。
NordVPNは速度重視のWireGuardプロトコルを利用する代わりにNordLynxというWireGuardの通信速度を引継ぎながらセキュリティレベルも高いプロトコルを採用しているのも安定した通信速度の理由の一つです。
また、いつでもライブチャットサービスでカスタマーサポートを日本語で受けることができ、VPNに不慣れな方でも安心して利用することができます。
SurfsharkVPN
SurfsharkVPNは世界100か国以上、3200以上のサーバーを運営するオランダに本拠地を置くサービスです。
2023年にはデロイトによりノーログポリシーを証明され、マルチホップ接続も搭載されている等、プライバシー保護にも力を入れています。
長期契約を結ぶことで他のVPNサービスより割安で使うことができ、同時接続可能な端末数に制限もないので非常にコストパフォーマンスが良いVPNサービスです。
また、カスタマーサービスも日本語対応しており、ユーザーからのフィードバックによって日々日本ユーザーに合わせたサービス改善が行われています。
PIA(Private Internet Access)
PIA(Private Internet Access)は世界91か国以上、30000以上のサーバーを誇り、アメリカ合衆国に本拠地を置くサービスです。
PIAはプライバシー保護に力を入れており、第三者機関による監査やさらには法廷での証言を通じてノーログポリシーを貫いていることを証明した心強いサービスです。
通常はプライバシーを犠牲にしてしまう固定IPアドレスサービスもトークン方式を用いることで個人情報と紐づかないようにするなど、匿名性に関して非常に細かい配慮をしています。
他サービスに比べ価格も非常に割安となっており、コストパフォーマンスに優れたVPNサービスです。
まとめ
マルチホップ接続は大多数の人にとっては必要不可欠という機能ではありません。
しかし、Tor Over VPNほど速度を犠牲にせずに高い匿名性を得られるというのは何ものにも代え難い価値があります。
また、Tor Over VPNにマルチホップ接続を併用することでさらに高い匿名性を得ることもできます。
NordVPN、SurfsharkVPN、PIAどのVPNも良質なサービスを提供していますし、30日間の返金保証もあるのでお気軽にお試しください。
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