スパイ協定・ファイブアイズとは?匿名性を保つために必須の知識

匿名化

ファイブアイズとは?

ファイブアイズは1946年にアメリカとイギリスによって結ばれたUKUSA(ウクサ)協定を起源としています。

UKUSA協定はSIGINT(シギント)と呼ばれる通信、電磁波、信号等の傍受を利用した諜報活動への協力に関する多国間の協定です。

当初、アメリカとイギリスによって結ばれたUKUSA協定は1948年にはカナダ、1956年にはオーストラリアとニュージーランドが加盟し、現在のファイブアイズとなりました。

また、ファイブアイズはその活動内容からスパイ協定と称されることも多いです。

米国を例にあげれば、FBI、CIA、NSAがファイブアイズの活動に従事していることが有名です。

ファイブアイズはその諜報活動に関する協定であるため、長らくその存在自体が秘匿されていましたが、2013年5月にアメリカの情報機関員であったエドワード・スノーデンの告発によりその存在が明らかになりました。

元々は2001年の9.11テロ事件を境に、その対策としてインターネット上の膨大なデータが監視を行っていましたが、時にはテロの関係のない一般人の情報までもが監視対象となっていました。

こうした過剰な監視社会を危惧したためエドワード・スノーデンは自らの安全を犠牲にしてでも、人々のプライバシーが脅かされていることを告発したのです。

ファイブアイズに、デンマーク、フランス、ネザーランド(オランダ)、ノルウェイを加えた協定がナインアイズ、さらにドイツ、ベルギー、イタリア、スペイン、スウェーデンを加えた協定がフォーティーンアイズです。

ナインアイズはその活動内容や範囲がファイブアイズに酷似しているため、ファイブアイズの延長として見られることが多いです。

フォーティーンアイズは加盟国同士の諜報活動に監視データを用いることはできませんが、他の加盟国が収集した自国民に関する情報を、自国の国益のために使用することができます。

5 Eyesアメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド
9 Eyesデンマーク、フランス、ネザーランド(オランダ)、ノルウェイ
14 Eyesドイツ、ベルギー、イタリア、スペイン、スウェーデン

ファイズアイズよりも重要なノーログポリシー

プライバシーを保護し、匿名性を重要視する場合、ファイブアイズを意識する必要があります。

匿名性を手に入れるために最も身近なサービスがノーログVPNですが、こうしたサービスを利用する際もなるべくファイブアイズに属する国のサービスをを避けて利用する必要があります。

しかし、匿名性を意識する上でファイブアイズを避けることよりも重要なのが、ノーログポリシーが保証されているかどうかです。

VPNサービスを利用している際に個人を特定される原因となるのはログを保存しているかどうかという部分に最も依存します。

多くのVPNサービスがノーログポリシーを謳っていますが、私たちが期待するノーログポリシーを守っているVPNサービスはごくわずかです。

ノーログポリシーを掲げながらも、実際にはログを保存しており、それを捜査機関や諜報機関に共有してしまうケースも少なくありません。

ログ(IPアドレス)以外の個人情報の扱い

私たちの個人情報はIPアドレスだけではありません。

VPNを契約した際のメールアドレスや支払い情報、利用履歴等についてもVPNサービスは管理しています。

メールアドレスについてはサービスを受けるにあたって必要な情報かもしれませんが、支払い情報等は必ずしもサービスを受けるに当たって必要な情報ではありません。

しかし、5-Eyes 9-Eyes 14 Eyesに属する国では捜査機関や諜報機関からこうした個人情報を管理し、必要となれば提出するよう圧力をかけられるケースが少なくありません。

ノーログポリシーを保証しているサービスであれば決定的に個人を特定出来る接続時のIPアドレスが捜査機関等に提供されることはありませんが、それ以外の個人情報の秘匿は保証されていないと思ってよいでしょう。

もちろん、メールアドレスや支払い情報が提供されたとしてもVPNサービスを利用しているということまでしか分からず、インターネット上でどのような活動をしているかはきちんと秘匿されます。

ファイブアイズ以外のノーログVPNを利用する

NordVPN

NordVPNは世界61か国以上、6000台以上のサーバーを運営するパナマに本拠地を置くVPNサービスです。

ノーログポリシーの外部監査をどのVPNサービスよりも実施しており、Double VPNを実装している等、匿名性に信頼があるVPNサービスです。

通信速度に関しても非常に評判が良く、動画視聴やオンラインゲーム、torrentのダウンロード等をストレスなく行うことができます。

NordVPNは速度重視のWireGuardプロトコルを利用する代わりにNordLynxというWireGuardの通信速度を引継ぎながらセキュリティレベルも高いプロトコルを採用しているのも安定した通信速度の理由の一つです。

また、いつでもライブチャットサービスでカスタマーサポートを日本語で受けることができ、VPNに不慣れな方でも安心して利用することができます。

CyberGhost VPN

CyberGhost VPNは世界100か国以上、11000以上のサーバー数を誇り、ルーマニアに本拠地を置くサービスです。

また、CyberGhost VPNはプライバシー保護に力を入れており、第三者機関による監査によってノーログポリシーの証明をしています。

通常はプライバシーを犠牲にしてしまう固定IPアドレスサービスもトークン方式を用いることで個人情報と紐づかないように配慮されています。

他サービスに比べ価格も非常に割安となっており、返金保証期間も45日間ある等、気軽に始められるVPNサービスとなっています。

ExpressVPN

ExpressVPNは世界105国以上、3000以上のサーバーを運営する、イギリスのヴァージョン諸島に本拠地を置くサービスです。

ExpressVPNはプライバシー保護に力を入れており、実際に法廷でもノーログポリシーを証明しており、第三者機関による監査も実施済なので匿名性が保証されているVPNサービスです。

2021年にはLightwayというWireGuard並みの高速通信や通信の安定性を持ちながら現代のセキュリティを重視したプロトコルと同レベルの暗号化されたプロトコルを開発しています。

これによりExpressVPNは高速通信と高いセキュリティレベルを両立出来るようになりました。

海外サービスですが、日本でのサポート体制も充実しており、いつでもライブチャットでカスタマーサポートを日本語で受られるので安心して利用できます。

まとめ

完璧な匿名性を求めるのであれば5-Eyes 9-Eyes 14 EyesのVPNサービスは避けた方が良いかもしれません。

しかし、一番大事なのはノーログポリシーであることが保証されているVPNサービスを利用することです。

5-Eyes 9-Eyes 14 Eyes以外のVPNサービスであってもノーログポリシーが保証されていないなければあなたの個人情報は簡単に外部に提供されてしまう可能性があります。

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